ECOにおいしい珈琲を
ここでは比較的安価においしい珈琲を飲む方法について述べています。
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珈琲をはじめ、私の味に対するこだわりは、味を構成する各要素の最低点を底上げする事にあります。
つまり、まずい要素が少しでもあれば、他のうまい要素をいくら加えても総合的にはまずくなるという考え方です。
珈琲を入れる方式は色々ありますが、私はサイフォンを使用しています。
この方式のまずい要素といえば、沸騰することにより味が落ちる所ですが、
加熱時間を抑える事により、この最低点を底上げしています。
他の方式では紙の味がしたり、出来上がりがぬるかったりという原理的なものがあり、底上げが難しいです。
なおサイフォンは以下のような長所があります。
・お湯を流さない状態で抽出するので抽出効率がよい(濃い珈琲ができる)
・沸騰状態まで加熱するので熱い珈琲ができる
・抽出前の蒸らしを自動的に行える
・器具がガラスなので衛生的である
でも、一番魅力的なのは機能性よりも、器具の外観でしょうか。
まず原料の珈琲豆ですが、煎ってあるものを購入しています。
焙煎を自分でやる人もいますが、個人の設備では均等に煎るのは難しいです。
たとえ少しでも煎り過ぎた豆が混じるとまずくなります。
購入の際に注意する事は、まず焙煎設備のある店であること。次に販売量が多いことです。
私の場合は「浅煎り」しか買わないので、焙煎設備のある店でないと買うものが限られます。
煎り具合というのは豆の種類よりもはるかに味に対する影響があります。
高価な豆の中煎りよりも、安価な豆の浅煎りの方がおいしい場合がほとんどです。
ただ、浅煎りはドリップ方式で使用するのは難しいので、あまり売られていません。
私の通っている店では浅煎りの豆が5種類位あり、価格も100gで280円程度からありリーズナブルです。
豆の種類については、毎回同じ種類だと飽きるので気分に応じて適当に変えていますが、
これはまずいという豆には出会った事がありません。キリマンジャロのように極端に酸味の強い豆では一部の人が嫌がるかもしれませんが。
ただ、ブレンドだけは絶対に買いません。豆の種類が色々入っているというのは煎り具合にムラがあるのと同じ事なので。
あと、店で買った時は真空パックに入れてもらい、一回開けると写真の様な密閉容器に入れています。
次にミルですが、写真の様な手動の水平回転型を使用しています。
蓋がある方が衛生的にもよいです。
垂直のタイプは挽くのに時間がかかり、粒も均一になりにくいです。
廻し方は、所々で引っかかる位ゆっくり回します。それは挽かれた豆が重力により下に落下する時間を与える為です。
もし回すスピードが速いと、設定された粗さまで砕かれた豆が下に落ちずにもう一度砕かれて細かくなります。
せっかく粗く設定しても細かいものが少しでも含まれていると、全く意味がなくなります。
私の設定は相当粗めです。いずれにしても粒が完全に均一にならなければなりません。
どうしても細かい粒が出るのなら、粉ふるいのようなもので分離した方がよいです。
挽き終わると取り出しますが、浅煎りの豆は非常にさらさらしています。
私は最低4杯分(私が2.5杯分、妻が1.5杯分のカップで飲む)作るので何回も取り出す事になります。
作業は結構しんどいです。(特に浅煎りは豆が硬いので力がいる。)
なお、分量については3〜5杯は作りましょう。1〜2杯では効率が悪いですし、おいしくないと思います。
ですからサイフォンは1人者であっても5杯用を買う事をお薦めします。
豆の量は珈琲3杯4杯5杯に対してサイフォンの計量スプーンで3杯、3杯半、4杯という感じでしょうか。
サイフォンの上部ガラスに豆、下部ガラスにお湯を入れて準備します。
このときお湯はある程度熱ければよく、沸騰しているのを入れる必要はありません。これはある程度、蒸らす時間を与える為です。
浅煎り+粗挽き+短時間加熱という条件ですから、蒸らしは非常に重要で手を抜いてはなりません。
あと、当然ですが珈琲カップも温めておきます。
準備ができたら、サイフォンの上部ガラスを装着し、アルコールランプを点火します。
装着については力を入れる必要はありません。それよりも真っ直ぐ入れる事に集中し、最後は置くような感じ十分です。
空気さえ漏れなければ、お湯はちゃんと上がってくれます。
力を入れて挿入するとあとで抜けなくなったり、ゴムパッキンの寿命が短くなります。
私はサイフォン付属のアルコールランプは使用せずに、
東急ハンズの理化学品売り場で小さなアルコールランプを購入して使っています。
こちらの方が、容器や蓋がしっかりしており安全性が高く、
サイフォンとの距離も近くなり、芯を少し出すだけで十分な火力が出せるからです。
写真では距離があるように見えますが、実際アルコールランプの芯からサイフォンまでは10mmもありません。
ですから小さい炎でも十分届き、フードがないのに風の影響もほとんど受けません。
結果、アルコールの消費も半分近くになったでしょうか。
これは間違いなくお薦めです。
お湯が上がるまで、今しばらく待つ事になりますが、沸騰した瞬間をとらえる必要があるので、
他の作業はあまりしない方がよいでしょう。お湯の動きをじっくり眺める時間です。
こういう見る楽しみはサイフォン以外の方式ではあまり感じる事ができないでしょう。
私はこれを何千回と見ていますが、飽きたことはありません。
お湯が上がり、沸騰した瞬間から勢いよく混ぜます。何回も回転方向を変えながら必死に混ぜます。
そして沸騰してから10秒くらいで混ぜるのを止め、アルコールランプを消します。
この作業をテキパキとやらないと、どんどんまずくなってしまいますので特に注意します。
なお、いきおいよく混ぜて豆が回っている状態から降ろす事により、ろ過布が目詰まりし易くなるので、
降りるのが遅くなったと感じたらすぐにろ過布を交換するのがよいでしょう。
もし、ろ過布が数十回以内に目詰まりするようならミルで挽くときに相当細かい粒が出ている証拠ですから、
そちらをチェックする必要があります。
お湯が完全に降りて、ボコボコっと気泡が出てきたら上部ガラスを外します。
装着するときに、軽く真っ直ぐ装着したのなら、軽く傾け空気を抜く事で簡単に外れるはずです。
ボコボコっと言うまでは外してはなりません。終了直前が一番珈琲を濃くしているので。
もしこの様な状態にならないのならろ過布を交換した方がよいでしょう。
あとは珈琲カップのお湯を捨て、珈琲を注ぐだけです。
飲んだ後の用具の手入れですが、サイフォンは耐熱ガラスで出来ているので、
柔らかいスポンジで擦れば洗剤は要らないと思います。下部ガラスについては濯ぐだけになります。
茶色くなってきたら、たまに洗剤を使う位でしょうか。サイフォンは割らない限り一生物です。
但し、ろ過布に関してはしっかりと豆を落とし、洗った後も完全に乾燥させないようにします。
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