全自動洗濯機のECO掃除

ここでは洗剤を使用しないで、全自動洗濯機(とはいっても乾燥機能のない1世代前のものですが)の掃除を行う方法について述べています。
なおこの作業は、メーカ,型式や作業者の熟練レベルによりますので、実践についてはあくまでも自己責任でお願いします。
家電商品を含め一般消費者に販売されている製品には安全規格およびそれに準じるチェックがなされています (どこかの自動車メーカの例を見ると、それが有効に働いているかどうか疑問になりますが、無いよりは良いでしょう)。 その製品を安全規格を認識しないユーザ個人もしくは業者が分解/組立するのは、事故等のリスクが伴いますので、くれぐれもご注意願います。

更新履歴
  • 2008/06/22 全般的にコメント追加。
  • 2006/05/04 脱水バルブの操作を追加。その他全般的にコメント追加。

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    使用する頻度や設置環境にもよりますが、全自動洗濯機は買ってから2〜3年経つと、 洗濯物にカビが付いてくるようになります。 洗濯しているはずなのに、有害なカビまで付いてくるという最悪な状態です。 これは、全自動洗濯機が持つ構造的な欠陥で、脱水する為に洗濯槽と実際の水槽の間に隙間が存在するからです。 同様に、洗濯槽の下部から上部に水を流すバイパス経路の存在もカビ発生の要因になっています。 (実際この部分が一番汚れている。)

    一般的にこれを掃除するには、
    1.超強力な洗剤やお酢を漬け込んで化学的にカビを剥離させ、攪拌・脱水する。
    2.洗濯槽自体を外して清掃する。

    の2通りがありますが、1.の方はこのサイトの趣旨であるECOとは反する方向でありますし、 完全にカビを取り去ることはできません。1回の洗濯でごく少量のカビは必ず付いてきます (もちろん寿命を長くするには有効な手段ですし、少量のカビならば気にしない人もいます)。 この方法のみを行う人は故障しない内に洗濯機自体を買い換えてしまう可能性が高いと思います。 そもそも、油がほとんど存在しない洗濯機に強力洗剤を使うなんて、私には信じられませんが。

    そこで、2.の実践が本題となりますが、自信のない人は業者に頼むか、最初から2層式の洗濯機を購入しましょう。 便利かどうかの判断はこういったメンテナンスも含めて考えるべきです。 私は機械メーカに勤務している事もあって分解・組立作業は直ぐなのですが、清掃については結構時間がかかり、 全部の作業を合わせれば4時間位かかったと思います。結構しんどいですが、1年に1度程度でよいので頑張りましょう。


    私の洗濯機の場合、使用する工具は2番のプラスドライバーと10mmのソケットレンチの2つのみです。 どちらも100均で買ったものですが...

    まず前面カバーと、配水管、風呂ポンプ配管を外します。 あと、電源コンセントも抜いておきます。

    上部を外す為に、奥のカバーを外します。 簡単に見える所に取り付けネジはありませんので、慎重に探します。

    上部を外す前に、上部制御部から洗濯槽下部に繋がっている配管配線のクランプを外し、配管配線に余裕を持たせます。 10万円以下の価格の商品ではコネクタにより簡単に配線配管が外れるなんてことはないと思います。 この余裕により、上部を立て掛けることができます。

    隠してあるネジを探し、上部をとり外します。 配線配線は外さずに、横に立て掛ける事になります。

    洗濯槽の上部カバーを取り外します。ネジと引っ掛けにより固定されています。

    中央のネジによりスクリューのような部品を取り外しますが、 上に引き抜く必要があり、固くて隙間もあまりない為最初は苦労しました。 写真の様に薄いL金具を使用して引き抜きました。 洗濯機によっては水に浮かせる等で簡単に取り外せるものもある様です。

    8本のネジをソケットレンチで外し、洗濯槽を取り外します。
    この作業は姿勢が厳しいので、外す/付ける共に疲労度は高いです。 あせらず休みながら行いましょう。

    洗濯槽を固定する部品を取り外します。これは結構重たい部品です。

    洗濯槽の外側があらわになりました。これは取り外さずにこのまま清掃します。 この部分の汚れは簡単に取れますので、必要なもの以外は外さないのがコツでしょうか。

    洗濯槽の外側は洗濯機への給水ホースを用いて水洗いしますが、 脱水用バルブは写真の部品を直接手で操作することにより開きます。

    洗濯槽を固定する部品はスチール製で、サビサビになっています。 水周りの部品には普通スチールは使いませんが、原価低減の為でしょうか?
    確かに強度の必要な部分で、ここにステンレスを使用すると3千円くらい原価が上がるかもしれません。 でも実際に塗装が剥げてサビが発生し、洗濯物に付く可能性があるのは事実です。


    洗濯槽が完全に外れました。これをさらに分解します。 注意しなければならないのは、もう「プロの領域」に来ている事です。 ユーザが触れる場所ではないのですから、大変危険です。 部品に素手で触ると切れたり突いたりして怪我をする可能性が高く、最低限でもビニールの手袋はする必要があります。

    洗濯槽が完全にバラバラの状態です。この状態で清掃を行います。 柔らかいブラシでこすり洗いをすれば、洗剤は使わなくてもキレイになります。
    要点は細かい所にこだわらない事です。 こだわって2〜3倍の時間をかけるのなら、1年毎の清掃を半年毎に行う方がよいと思います。
    清掃を終えたら、あとは分解と逆の手順で組み立てます。 洗濯機の場合、中に入れる衣類自体がバランス悪いので、洗濯層の取り付け自体には精度が要りませんが、 大きな力が掛かり振動もある部分なので、ボルトは均等に、しっかり増し締めする必要があります。

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